デスクワーカーの肩こりの原因は「パソコン作業」だと思っていませんか?
近年では肉体労働よりも知的労働の割合が増えてきています。
知的労働とは、「パソコン作業」をはじめとした、いわゆる「デスクワーク」のことを指す場合が多いと思います。
デスクワークしている人=デスクワーカーの身体の悩みで多く聞かれるのが、「肩こり」です。
私は主にリハビリのセラピストとして、対象者の身体に向き合っていますが、働いている患者さんの中でも、パソコン作業が中心の方は肩こりを訴えていることは経験上もみられます。
そんな肩こりの原因として言われているのが、「パソコン作業」など作業自体が原因として扱われることがあります。
確かにパソコン作業などは肩の緊張を高めてしまうことが多く、肩こりの原因となる可能性もあります。
そのため、肩こりを解消するための方法としては、肩や首にある筋肉をストレッチしたり、マッサージしたりすることが一般的に勧められていることが多いと思います。
肩こりを経験している方はわかると思いますが、肩こりは肩や首をストレッチしたり、運動したりしても「あまり良くなった感じがしない」という方もいます。
それはなぜでしょうか?
それはデスクワーカーの肩こりは、作業内容だけではないその他の原因が含まれているからです。
今回は、作業内容以外でのデスクワーカーの肩こりの原因となる、「作業姿勢」について解説していきたいと思います。
姿勢というのは、運動の基盤となるものです。
つまり作業姿勢が悪ければ、どんな作業でも身体に負担になりますし、逆に作業姿勢が良ければ、快適に作業することも可能だと思います。
そんなデスクワーカーの作業姿勢の問題点について、主に肩こりとの関連性を中心に解説していきます。
最後に解決方法まで紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
デスクワーカーの作業姿勢の問題点について
デスクワーカーの作業姿勢の問題点についての最も重要な問題は、「座りすぎてしまう」ということです。
身もふたもない話かもしれませんが、デスクワーカーはどのような姿勢であれ、座り続けていることは身体にとってかなり負担をかけていることになります。
座っている姿勢では、主にお尻に体重がかかることになります。
そのため、骨盤を中心に腰や背骨も動かしにくい状態になっています。
骨盤や背骨は身体の中心にある骨です。つまり背骨が動きにくくなることによって、さまざまな場所に影響が起こります。
「肩こり」の話で言うと、いわゆる肩関節を構成している骨の1つである「肩甲骨」と呼ばれる骨があります。
この骨の動きは、背骨の動きと連動していて、肩甲骨が十分に動くためには、背骨の動きが必要になります。
肩甲骨の動きが不十分になることによって他の部位、例えば腕の筋肉や首の筋肉が、肩の動きを庇うようになってしまいます。
デスクワーカーは座りすぎにより、骨盤や背骨の動きが硬くなりやすいため、連動して動くはずの肩甲骨の動きも制限されてしまうことで、肩こりが起こりやすくなっている可能性があります。
つまりいくら肩や首に対してストレッチしても、デスクワーカーの場合、背骨や肩甲骨が動かしにくい状態であるため、その効果は一時的なものにしかならず、根本的な解決になりにくいと言えます。
ではデスクワーカーが肩こりを解決するために必要なことはなんでしょうか。
それはズバリ、作業環境の見直しです。
続く