ストレートネックと頭痛
理学療法士が見る「首から起こる頭痛」

頭痛に悩んでいる方の中には、
「ストレートネックが原因かもしれない」と言われた経験がある方もいるかもしれません。
実際、首こりや肩こりと一緒に
頭痛を感じる人は少なくありません。
特に多いのが緊張型頭痛と呼ばれるタイプです。
この頭痛は、首や肩の筋肉の緊張と関係していると考えられています。
緊張型頭痛の特徴
緊張型頭痛では、次のような症状が見られることがあります。
・後頭部が重い
・頭を締めつけられる感じ
・首や肩のこり
・長時間姿勢で悪化
多くの場合、
パソコン作業やスマートフォン操作など、
同じ姿勢が長く続いたときに起こりやすくなります。
理学療法士が観察する首の状態
PHYSIOで頭痛の相談を受けるとき、
次のようなポイントを確認します。
・首の可動域
・後頭部の筋肉の緊張
・肩甲骨の動き
・胸郭の柔軟性
特に、
後頭部の小さな筋肉(後頭下筋群)が
強く緊張しているケースが多く見られます。
この筋肉は、頭の位置を細かく調整する役割があります。
しかし、頭が前に出た姿勢が続くと、
この筋肉が常に働く状態になります。
その結果、後頭部周囲の緊張が続き、
頭痛につながることがあります。
首の筋肉と神経の関係
首の後ろには、
大後頭神経と呼ばれる神経があります。
この神経は、後頭部の感覚に関係しています。
首の筋肉が緊張すると、
この神経の周囲の組織に負担がかかり、
後頭部の痛みとして感じることがあります。
そのため、首こりが強い人では
画像診断などで異常がなくても
頭痛を伴うことがあります。
Fasciaの視点から見る頭痛
身体は、筋肉や関節だけでなく、
Fascia(筋膜)という結合組織のネットワークによって
全身がつながっています。
この組織は姿勢や運動の影響を受けやすく、
長時間の同じ姿勢が続くと
・滑走性低下
・柔軟性低下
などが起こる可能性があります。
その結果、首や肩周囲の組織の動きが低下し、
筋肉の緊張が続くことがあります。
このような状態が頭痛の背景となることも考えられます。
頭痛と生活習慣
頭痛には、姿勢だけでなく生活習慣も関係します。
例えば
・長時間のデスクワーク
・スマートフォンの使用
・運動不足
・睡眠不足
などです。
身体は適度に動かすことで
・血流
・組織の柔軟性
・神経機能
が保たれます。
運動不足が続くと、
首や肩の筋肉の疲労が回復しにくくなることがあります。
首からくる頭痛への対策
首こりに関連する頭痛では、
次のようなことが役立つ場合があります。
・長時間同じ姿勢を避ける
・肩甲骨を動かす
・軽い運動を行う
・休憩をこまめにとる
首だけをケアするのではなく、
身体全体の動きを改善することが重要です。
まとめ
ストレートネックと呼ばれる姿勢では、
首や肩の筋肉に負担がかかりやすくなります。
その結果、
・首こり
・肩こり
・緊張型頭痛
が起こることがあります。
頭痛が続く場合は、
首だけでなく身体全体の姿勢や生活習慣を見直すことが
改善のきっかけになることがあります。
【根拠】
Fasciaは筋・神経・関節などを連結する構造であり、
姿勢の持続や運動不足などにより柔軟性低下や滑走性低下が生じる可能性がある。
また、身体への適切な力学的刺激(運動)は、
結合組織の適応や機能維持に関与するとされている。
【出典(PDF参考文献)】
・今北英高ほか:Fasciaとは-解剖生理学的意義の見地から.臨床スポーツ医学,2020
・Schleip R:Fascial plasticity – a new neurobiological explanation.2003
・望月久:メカノセラピーと理学療法.PTジャーナル,2020
・Kopeinig C, et al:Fascia as a Proprioceptive Organ and its Role in Chronic Pain.2015

