変形性膝関節症の方におすすめの靴とは?膝にやさしい靴選びのポイント
変形性膝関節症の方におすすめの靴とは?膝にやさしい靴選びのポイント
「膝が痛いのですが、どんな靴を履けばよいのでしょうか?」
変形性膝関節症(膝OA)の方から、PHYSIOでも非常によくいただくご質問です。
実は、靴は毎日長時間使用するものであり、歩行や立位時の膝への負担に大きく影響する可能性があります。
しかし、「膝に良い靴」はすべての人で同じではありません。
大切なのは、自分の足や歩き方に合った靴を選ぶことです。
今回は、変形性膝関節症の方の靴選びについて、理学療法士の視点から解説します。
なぜ靴が膝に影響するのか
歩行時には、体重の数倍の力が膝関節に加わるといわれています。
足は身体と地面をつなぐ唯一の部分です。
そのため、靴の形状やフィット感は、
- 足部機能
- 歩行パターン
- 荷重位置
- バランス能力
に影響し、結果として膝関節への負担にも関係します。
サイズの合わない靴や不安定な靴を使用すると、膝への負担が増加する可能性があります。
膝にやさしい靴の条件
踵部分がしっかりしている
靴を選ぶ際、まず確認したいのが踵部分です。
踵をつまんだときに簡単に潰れてしまう靴は、踵の安定性が低い可能性があります。
踵部分が適度にしっかりしていることで、
- 足部の安定性向上
- 歩行時のふらつき軽減
が期待できます。
足に適切にフィットしている
どれほど高価な靴でも、サイズが合っていなければ十分な機能を発揮できません。
靴選びでは、
- 足長
- 足囲
- 足幅
- 甲の高さ
などを確認することが重要です。
高齢者では、実際の足よりも大きな靴を履いているケースも少なくありません。
靴の中で足が動いてしまうと、歩行効率低下や転倒リスク増加につながる可能性があります。
適度なねじれ剛性がある
靴はある程度のねじれにくさが必要です。
簡単に雑巾のようにねじれる靴は、足部を十分に支えられない場合があります。
一方で、硬すぎる靴も歩行しにくくなることがあります。
適度な剛性を有する靴が望ましいでしょう。
適切な位置で曲がる
靴底は、足趾の付け根付近で自然に曲がることが理想的です。
靴の中央部分で大きく曲がる靴では、足部機能を十分に活用できない場合があります。
避けたい靴
かかとのないサンダル
サンダルやスリッパは着脱しやすい反面、足部の安定性が低下しやすくなります。
特に膝痛やバランス低下がある方では注意が必要です。
すり減った靴
靴底の偏った摩耗は、歩行時の荷重位置に影響する可能性があります。
特に、
- 外側だけ極端に減る
- 内側だけ極端に減る
場合には、一度歩き方を確認してみることをおすすめします。
柔らかすぎる靴
近年では非常に柔らかい靴も増えています。
柔らかさが必ずしも悪いわけではありませんが、足部機能や筋力が低下している方では、十分な安定性を得られない場合があります。
クッション性が高ければ良いわけではない
「クッション性が高い靴なら膝に優しい」と考えられることがあります。
しかし、研究では、クッション性だけで膝痛が改善するとは限らないことが報告されています。
重要なのは、
- フィット感
- 安定性
- 足部機能との適合
です。
足部機能や歩行特性によって、適した靴は異なります。
靴とインソールはセットで考える
インソールを使用する場合、靴との相性は非常に重要です。
踵が不安定な靴やサイズが合わない靴では、インソール本来の効果が十分に発揮できないことがあります。
PHYSIOでは、
- 靴のサイズ
- 靴の種類
- 足部形状
- 歩行パターン
を確認したうえで、必要に応じてインソールを提案しています。
詳しくは、
▶︎【変形性膝関節症にインソールは有効?】の記事をご覧ください。
PHYSIOで行っている靴評価
PHYSIOでは、膝痛のある方に対し、靴評価を行っています。
評価内容の一例は、
足部評価
- ポドスコープ
- フットプリント
- FPI(Foot Posture Index)
靴評価
- 足長
- 足囲
- 足幅
- フィット感
- 靴底摩耗
動作評価
- 歩行分析
- 立ち上がり動作
- バランス評価
です。
膝だけではなく、足元から身体全体を評価することを大切にしています。
こんな方は靴の見直しをおすすめします
- 長時間歩くと膝が痛い
- 靴底が極端に片減りする
- 転びやすくなった
- 膝痛がなかなか改善しない
- 扁平足や外反母趾がある
- 市販の靴選びに悩んでいる
このような場合、靴を見直すことで歩きやすさが改善する可能性があります。
まとめ
変形性膝関節症では、靴選びも重要な要素のひとつです。
しかし、「膝に良い靴」が一つだけ存在するわけではありません。
大切なのは、
- 足部機能
- 歩行特性
- 足の形
- 生活スタイル
に合わせて靴を選ぶことです。
もし膝痛がなかなか改善しない場合には、膝だけではなく、足元から身体全体を見直してみることをおすすめします。
関連記事
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- 変形性膝関節症と扁平足
- 足関節が硬いと膝が痛くなる?
- 変形性膝関節症にインソールは有効?
参考文献
Menz HB, et al. Footwear characteristics and risk of indoor and outdoor falls in older people. Gerontology. 2006.
Shakoor N, et al. Effects of specialized footwear on knee loads in osteoarthritis. Arthritis Rheum. 2008.
Hinman RS, et al. Footwear and foot orthoses in the management of knee osteoarthritis. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2014.

