運転手が腰痛を予防するためにできること
過去の記事では、「車の運転手はなぜ左側の腰痛が多いのか」について解説しました。
今回はその後半です。
前回の内容を読んでいただくと、今回の内容がより理解できると思いますので、まだ読んでいないと言う方は先に前半の記事もご覧ください。
前回の内容をざっくりまとめると、「車の運転は、AT車では運転中の姿勢が偏りやすく、左側の腰や足に負担をかけてしまう」と言うような内容でした。
車の運転手が、腰痛を予防する最も簡単な方法は「車に乗らない」ことかもしれませんが、それでは仕事が成り立たない人も多いと思います。
腰痛だけではありませんが、身体の不調は、日々の作業姿勢や運動中の癖が要因になって、繰り返しストレスを与えていることが少なくありません。
つまり、車の運転手や、運転中の姿勢を日々セルフケアすることで腰痛を予防できる可能性があります。
今回は、腰痛を予防するために、運転手中にできるちょっとした姿勢の工夫や意識について解説していきます。
「車の運転中腰が痛い」と言う方はぜひ最後までご覧ください。
運転中に気をつけるポイントについて
運転中に気をつけるポイントは、以下のようになります。
・片側に体重をかけすぎない
・身体を捻らない
・左足は正しい位置に置く
1つずつ説明していきます。
片側に体重をかけすぎないこと
運転手しているとき、肘置きに体重がかかりすぎていませんか?
右ハンドルの車であれば、肘置きに体重がかかりすぎると、左側に体重が偏ることになります。
MT車であれば、クラッチ操作など行う関係から、体重がどちらかに偏ると運転しづらくなるため、無意識にまっすぐな姿勢に戻そうとする反応が起こります。しかし、AT車ではクラッチ操作がないため、体重の偏りが運転操作に影響することが少ないと考えられます。
そのため、AT車の場合は、運転中の操作が右足のみを使用する関係から、身体を左に捻った状態を助長しやすいとも言えます。
よってAT車の運転による腰痛予防に必要なことは、意識して体重が左側に偏らないように運転することだと考えます。
そのほかの要因としては、「お財布やスマホなどを、お尻ポケットに入れたまま運転する」「座席シートの真ん中に座らずに運転する」などが考えられます。
どの理由にせよ、体重が偏ったままの運転は身体の一部負担をかけることにつながる可能性があるため、意識的に体重の偏りを予防することを心がけましょう。
身体を捻らない
先ほどの理由と少し共通する部分もありますが、AT車の運転では右足で操作する関係で、身体が左側に捻った状態で運転しやすくなります。
片手ハンドルでの操作は、さらに身体のひねりを助長してしまうことになるため、腰に負担をかけることになります。
解決方法は、「ハンドルを両手で持つ」「座席シートにお尻をしっかり入れる(浅く座らない)」「座席シートの距離を適切に保つ」などが挙げられます。
身体を捻っている場合、多くは座り方や座席シートとアクセルやブレーキペダルの位置が不適切であることが予想されます。
座席シートの正しい位置は、アクセル・ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んだ状態で膝の曲がりにゆとりがある程度だと言われています。
参考:https://gazoo.com/ilovecars/driving/16/07/29/
左足は正しい場所に置く
AT車はクラッチ操作がないため、左足が自由になっています。
そのため、左膝が必要以上に曲がったまま運転していたり、足を開いたり、ねじったりしたまま運転していることが少なくありません。
足の位置は、最初にお伝えした体重の偏りにも関係します。
さらに足が不適切な位置にあることで、お尻の筋肉や腰の筋肉が必要以上に引っ張られたり、反対に縮んだりすることによって、筋肉周囲の循環が阻害されることも腰痛を生じる要因と考えられます。
左足は本来、フットレストに置いておくことが正しい位置になります。
ついフットレストの手前に足をいてしまいがちな人は、意識的に正しい位置に左足を置くようにしてみてください。
普段からの小さな積み重ねが重要です
今回は、車の運転手が腰痛を予防するためにできることとして、運転中の姿勢について解説しました。
運転中の姿勢は、意識してすぐに効果を感じられるものは少ないと思います。
しかし、小さな変化の積み重ねが今の私たちの身体を作っていることも事実です。
まずは気軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。
次回は、車の運転手にオススメしたい仕事中にできるセルフケアについて解説します。
次回もお楽しみに。