「ストレートネックは治りますか?」
首こりや肩こりで来院される方から、よくいただく質問です。
結論から言うと、
首の骨の形そのものを完全に元に戻すことは簡単ではありません。
しかし、
・首こり
・肩こり
・頭痛
・首の動かしにくさ
といった症状は、
身体の使い方を変えることで改善するケースが多くあります。
つまり重要なのは、
「骨の形」よりも「身体の機能」です。
ストレートネック=病気ではない

ストレートネックという言葉はよく知られていますが、
医学的な正式診断名ではありません。
レントゲンでは、
頸椎のカーブが小さく見える人もいれば、
もともとカーブが少ない人もいます。
また、同じようなレントゲンでも
・痛みがある人
・まったく症状がない人
などが存在します。
このことから、
首のカーブだけで症状が決まるわけではないと考えられています。
理学療法士が注目する「機能」
PHYSIOでは、ストレートネックの相談を受けたとき、
レントゲンよりも次のポイントを重視します。
・首の動き
・胸郭の柔軟性
・肩甲骨の安定性
・体幹の支持機能
・呼吸パターン
などです。
首の症状がある人の多くでは、
胸郭の動きの低下が見られます。
胸郭が硬くなると、
首や肩の筋肉が代わりに働くようになり、
首の負担が増えてしまいます。
回復する人の特徴
ストレートネックによる症状が改善する人には、
いくつかの共通点があります。
①身体を動かす習慣がある
身体は動かすことで
・血流
・組織の柔軟性
・神経機能
が維持されます。
運動不足が続くと、
首周囲の筋肉や結合組織の柔軟性が低下しやすくなります。
②姿勢を意識している
スマートフォンやパソコン作業のとき、
・画面の高さ
・椅子の高さ
・背中の姿勢
を少し変えるだけでも、
首への負担は大きく変わります。
③身体全体の動きを改善している
首の症状が改善する人の多くは、
・肩甲骨の動き
・胸郭の動き
・体幹の安定性
を改善する運動を取り入れています。
首だけをほぐすよりも、
身体全体の動きが改善することで
首の負担が減ることが多いのです。
改善しにくいケース
一方で、症状が改善しにくいケースもあります。
例えば
・長時間同じ姿勢
・強いストレス
・睡眠不足
・運動不足
などが続く場合です。
痛みは単なる筋肉の問題ではなく、
生活習慣や心理的要因が影響することもあります。
Fasciaの視点から考える
身体は筋肉や骨だけでなく、
Fascia(筋膜)という結合組織のネットワークで全身がつながっています。
この組織は、姿勢の持続や運動不足により
・癒着
・柔軟性低下
・滑走低下
などの変化を起こす可能性があります。
その結果、
身体の一部の動きが低下すると
別の部位に負担が集中します。
首の症状も、このような身体全体の変化の中で
生じている場合があります。
ストレートネックの改善の考え方
ストレートネックの症状改善では、
次の3つの視点が重要です。
①姿勢の改善
②運動習慣
③身体全体の動きの改善
首だけに注目するのではなく、
身体全体のバランスを整えることが
結果的に首の負担を減らすことにつながります。
まとめ
ストレートネックは
「首の骨の形」だけの問題ではありません。
多くの場合、
・姿勢
・身体の動き
・生活習慣
などが関係しています。
首の症状が気になる場合は、
身体全体の動きを見直すことが
改善のきっかけになることがあります。
【根拠】
Fasciaは筋・神経・関節などを連結する構造であり、
姿勢の持続や運動不足などにより構造変化や滑走性低下が生じる可能性がある。
また、身体への適切な力学的刺激(運動)は、
組織適応や血流改善などの生理的反応を引き起こすとされている。
【出典】
・今北英高ほか:Fasciaとは-解剖生理学的意義の見地から.臨床スポーツ医学,2020
・Schleip R:Fascial plasticity – a new neurobiological explanation.2003
・望月久:メカノセラピーと理学療法.PTジャーナル,2020
・Kopeinig C, et al:Fascia as a Proprioceptive Organ and its Role in Chronic Pain.2015

