デスクワーカーの作業環境(VDT作業)を考える
デスクワーカーの作業は最近ではVisual Display Terminals作業(VDT作業)と言われています。
VDT作業とは(以下引用)
VDT作業とは、液晶等の画面表示機器と、キーボードやマウス、タッチ画面等の入力機器による情報端末(=Visual Display Terminals)を使用する作業のことです。1980年代より頸肩腕症候群等のVDT作業による健康影響や労働災害が注目されました。近年は急速なIT化、様々な機器のオンライン化によるIoT化、そしてスマートフォンやタブレットの普及により、VDT作業の一般化、長時間化、複雑化は進展の一途をたどっています。このように現代の仕事や日常生活に欠かせないものとなったVDT作業について、その傾向と健康問題への対策についてまとめます。
引用:https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpo21/pdf/89_12-15.pdf
VDTにおいて、肩こりや眼精疲労を生じさせやすい姿勢の特徴が「頭部の前方偏位」です。
要するに、「顎が前に出て、頭が肩よりも前に出てしまっている姿勢」のことを指します。
「頭が前に出たくらいで、身体に影響があるのか」と考えてしまう方は多いと思います。
人の頭は、体重の10%の重さがあると言われています。
つまり体重が50kgの頭の重さは約5kgに相当します。
それだけではピンとこない方もいるかもしれませんが、さらに頭が前に約2cm出るだけで、首にかかる負担は約2倍に増えると言われています。
つまり体重が50kgの方の頭がVDT作業中に2cm前に出るだけで、首には約10kgのストレスがかかっていることになります。
首へのストレスは頭が前に出れば、それだけ増えていくので作業姿勢によって生じる首へのストレスはとても大きいと思います。
頭が前に出ている姿勢の影響は首だけに起こるわけではありません。
首に負担がかかると言うことは、その周辺の筋肉に対しても同時にストレスが加わっています。
肩こりに関連するもので言うと、頭が前に出ることによって頭を支えている筋肉にもストレスが加わります。
主に肩についている「僧帽筋」と呼ばれる筋肉が、過剰に伸ばされている状態になるため、肩周囲の筋肉への血流も阻害され、肩のだるさや痛みを引き起こす可能性があります。
眼精疲労に関しては、首の筋肉とは関連性がないように感じるかもしれませんが、首と頭の間にある「後頭下筋群」と呼ばれる筋肉は、目の動きと非常に関連性が深いものになります。
そのため後頭下筋群が固まってしまうと、関節的に目の動きに影響を与え目の疲労に繋がります。
これらの問題は、VDT作業の姿勢によって引き起こされているため、セルフケアだけでは改善にも限界があると思います。
セルフケアと同時に作業環境を見直していくことが肩こり・眼精疲労を効率的に解消するためには重要になります。