目の疲れと頭痛には切っても切り離せない関係があります
目の疲れ、いわゆる眼精疲労と頭痛には共通する部分も多く、頭痛を持っている人は、同時に目も疲れやすいことも少なくありません。
もちろん、眼精疲労と頭痛の原因は人によっても異なり、全ての方に共通するものではありません。
しかし、筋肉や筋膜の疲労からくるものと限定すれば、眼精疲労と頭痛には共通している部分も見られます。
今回は、主に筋肉や筋膜に由来する問題に絞って、眼精疲労と頭痛の関係性について解説します。
前半では原因となる筋肉と、負担が生じるメカニズムについて紹介し、後半は筋肉に対するセルフケアについて解説します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
眼精疲労と頭痛の両方を引き起こす筋肉
筋肉や筋膜は、単体で広範囲の場所や、複数の場所に症状を引き起こす場合があります。
今回のテーマで取り上げた、眼精疲労と頭痛の関係についても、眼精疲労と頭痛のどちらも引き起こす可能性のある筋肉が複数存在します。
今回は症状の出ている場所に合わせて、大きく2つの筋肉について紹介しようと思います。
前頭部の痛みと目の周りの痛み・疲労に関連する筋肉
最初に紹介するのは「胸鎖乳突筋」です。
この筋肉は、首の前にある筋肉で、首を曲げたり、左右に捻ったりするときに主に使用されます。
また呼吸補助筋としても作用するため、肩で息をしているときにも使用されています。
胸鎖乳突筋が疲労したり、硬くなったりすると、前頭部(おでこ)に痛みを引き起こすことがあります。
それと同時に、目の周りにも痛みやだるさを引き起こすとも言われています。
そのため、胸鎖乳突筋が疲労している人は、適切なセルフケアや作業中の姿勢の改善により、胸鎖乳突筋の疲労を取り除くことが重要と考えています。
後頭部と目の奥の痛みや疲労に関連する筋肉
2つ目の筋肉は「頭板状筋」と呼ばれる筋肉です。
頭板状筋は、首を伸ばし、頭を後ろに引く働きがあります。
主には頭を後ろに引く動きに関係していますが、頭板状筋が硬くなることで、目の奥に痛みなどを引き起こすと言われています。
目の奥と後頭部に症状が見られている人は、頭板状筋のセルフケアや、筋肉に負担をかけない環境設定が必要になると思います。
2つの筋肉が疲労しやすい状況は、デスクワークなど長時間座って作業している方や、スマホや読書など下を向いて長時間同じ姿勢でいる人が多いように思います。
そのため、眼精疲労と頭痛を同時に軽減させるための環境は、デスクワーク中の姿勢を正しい形に修正していくことが必要です。
眼精疲労と頭痛を予防するために必要なこと
デスクワークなどで、今回紹介した筋肉に負担をかけている場合は、パソコンの画面の高さや机の高さが、身体に合っていない可能性があります。
適切な画面の位置は、一般的には目線が画面の上部にくる位置と言われていますが、適切な位置は人によって異なるため、微調整が必要になると思います。
今回紹介した筋肉への負担を考慮するのであれば、胸鎖乳突筋は過剰に縮んで、頭板状筋は伸ばされている可能性が高いため、胸鎖乳突筋に関しては適度に伸ばされ、頭板状筋は適度に縮むような位置に頭を修正することが望ましいと言えます。
現在の作業環境の中で、なるべく首の筋肉に負担のかからない姿勢を見つけましょう。
後半の内容では具体的に、今回紹介した筋肉に対するセルフケアを紹介します。
次回もぜひお楽しみに。