あなたの肩こりが改善しない理由
現在の働き方は「テレワーク」と呼ばれる、自宅で働くという新しい働き方が一般的になりつつあります。
テレワークの利点として
・通勤の必要がない
・自由な時間が増える
・子育てと仕事が両立しやすい
などが挙げられます。
その反面、テレワークにより「肩こり」や「腰痛」などの身体の不調が以前より問題となっています。
理由としては、テレワークという普段と異なる環境によるストレスや、通勤がなくなったことによる運動機会の減少などが挙げられますが、その他の重要な原因として、「自分の身体に合わせたセルフケアを知らない」ということが問題であると思っています。
私は現在もリハビリのセラピストとして働いていますが、身体の不調のある方の中には「辛いけど何をしたらいいのかわからない」と悩んでいる方が非常に多くいらっしゃいます。
身体の不調で辛いのは自分なのに、自分ではどうすることもできない。
これほど辛いことはないと思います。
もちろん、怪我や病気のある方は専門の医療機関を利用し医師の指示のもと適切な治療を受けるべきだと思います。
しかし、肩こりをはじめとする「病院にかかるまででもない体調不良」に関しては、自分に合ったセルフケアを知っておいて損はありません。
そこで今回は、テレワーク中に自宅で簡単にできる、原因別の肩こりセルフケアを紹介したいと思います。
実は肩こりと言っても、その原因は人によって異なります。
肩こりには大きく、「縮んで固まっている場合」と「伸びて固まっている場合」があります。
肩こりの原因が異なれば、当然セルフケアも変わってきます。
今回は、主に縮んで固まっている場合の肩こりの方に試して欲しいセルフケアを紹介していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
縮んで固まっている場合の肩こりセルフケア
結論からお伝えすると、縮んで固まっている場合の肩こりに関しては首の筋肉をケアすることが重要です。
特に首の前にある「胸鎖乳突筋」という筋肉は、目の疲れや頭痛にも関係していることのある筋肉で、とても重要です。
首にある筋肉と言うと、つい首の後ろの筋肉を連想すると思いますが、実はテレワーク中の姿勢を考えると首の前の筋肉が縮んで固まっていることが多く、ケアするべき重要な場所になります。
【胸鎖乳突筋の場所】
下顎の骨を触っていくと、耳の高さのあたりでコリコリとした硬いスジのようなものに当たります。
人によっては押すと痛みが出る場合もあるので、優しく触ってください。
その硬いスジのような部分が胸鎖乳突筋の大まかな位置になります。
【胸鎖乳突筋の役割】
胸鎖乳突筋は主に、顎を突き出した姿勢になることで働きます。
また胸鎖乳突筋は左右に一つずつあり、片方の筋肉が働くことで顔を横に向ける動きをします。
また補助的ではありますが、胸鎖乳突筋は呼吸するときにも働きます。
呼吸するときの主な筋肉は「横隔膜」と呼ばれる筋肉ですが、身体が緊張しているときや不良姿勢で呼吸しにくいときなどは、胸鎖乳突筋をはじめとする呼吸補助筋が働くようになります。
特にテレワークのように座って作業する時間が長い場合、姿勢の影響により呼吸が浅くなり、胸鎖乳突筋に負担がかかっている方が多いように思います。
自宅にある「あるもの」を使って簡単にケアする方法
今回はどの自宅にも置いてある「あるもの」を使って、胸鎖乳突筋のセルフケアをやってみようと思います。
その「あるもの」とは、「タオル」です。
今回は、フェイスタオルを使ったセルフケアを紹介します。
胸鎖乳突筋のように、縮んで固まっている場合のケアの方法は、簡単にいうと「伸ばす」「緩める」のどちらか、もしくはどちらも行うことです。
筋肉を伸ばす場合、筋肉の細かな位置や働きを知っていないと効果が出しにくくなります。
そこで今回は主に「緩める」ことを目的としたセルフケアを行なっていきます。
【具体的な方法】
- 仰向けに寝ます。膝は伸ばしても曲げてもどちらでも構いません。楽な姿勢であることが重要です。
- タオルの両端をそれぞれ持ち、タオルで後頭部をつつみます。
- 首の力は抜き、手でタオルを引っ張り、頭を持ち上げていきます。(高く持ち上げる必要はありません)
- その状態をキープして、小さく揺らしながら首の筋肉の緊張を落としていきましょう。
※首を大きく揺らしてしまうと痛みが出る場合があります。首を動かしたときに、強い痛みや吐き気、手の痺れなどが出現する場合はすぐに中止してください。また以前に首の手術や怪我のある方は、お近くの専門家に相談し、指示や指導を受けてから行うことをオススメします。
他の部位も同様ですが、首は非常にデリケートな部分になるので、普段行うよりも丁寧に優しく行なっていきましょう。
あなたにあった正しいセルフケアを選択しましょう
今回は、原因別の肩こりセルフケアとして、タオルを使った胸鎖乳突筋のセルフケアをお伝えしました。
セルフケアの利点は、「手軽に始められること」だと思います。
少しでもあなたの肩こりが和らぎ、テレワークの生産性が上がることを願っています。
今回の内容が参考になれば幸いです。