最近は「メンタルヘルス」という言葉も一般的になってきました。
体の健康・心の健康をそれぞれ保つ方法はたくさんありますが、
体の健康と心の健康が、相互に影響しあうこともたくさんあります。
心と体はつながっている、とよく言います。
- 試験の前にお腹が痛くなる
- 恋人の前だとドキドキして心拍数が上がる
こんな身に覚えがありそうなことも心が体に作用している例です。
体の機能のうち、心拍や血圧、消化機能などは自律神経により無意識下でコントロールされています。
心というのは目に見えないので、「心とは何か、どこにあるのか」という議論がされることがありますが、
一般的に心の状態として現わされるのが嬉しい・楽しい・悲しいといった感情(情動)です。
自律神経を支配しているのは、脳です。
感情・情動を支配しているのも、脳です。
脳のうち、辺縁系という部分が「感情」を支配します。
心が体に影響を及ぼす場合、
感情など精神的要因が脳に作用し、自律神経のコントロールのバランスを崩すことで、
消化機能など体の機能が影響を受けます。
慢性的な疾患を持っていたり、ケガで入院をされるなど、体の健康に不調をきたした患者様が、
うつを併発するなど、心の健康にも不調が生じてしまうパターンはよくあります。
ある研究によると、
うつ病と神経障害性腰痛の合併患者は、非うつ病患者と比較して、痛みのレベルが高く、痛みに関連する障害が大きく、QOLも低かった。
という報告もあります。
(参考:腰痛患者の生活の質に対する質問票を用いたうつ病および神経因性疼痛の影響横断的後ろ向き研究, Akihiko Hiyamaら)
逆に、心が体にいい影響を与えることも、身体が心にいい影響を与えることもあります。
よく、「筋トレはメンタルにいい」と聞きませんか?
筋トレには、私たちの精神状態を向上させ、やる気を引き出し、平穏をもたらすホルモンの分泌を促す力があります。
実際、体を動かすことで血流が改善され、脳の機能が活性化するという科学的根拠があります。
これは、思考の明晰さや集中力の向上に直結します。
さらに、定期的な運動は、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、私たちの自律神経系にも好影響を与えます。
このバランスの良さが、夜の質の高い睡眠につながります。
良質な睡眠は、日中のパフォーマンスを大きく左右し、精神的な健康を保つ上で不可欠な要素となります。
心の平穏を求めるなら、筋トレはその追求の中で最も手軽で効果的な方法の一つです。
身体を動かすことで得られるこの一連の利益は、心だけでなく、全体的な健康にも寄与します。
人間は、心も体も健康でなければ、真のパフォーマンスを発揮できません。
体と心の密接な関係を理解し、両者の健康を同時に追求することが、真の健康を手に入れるための鍵です。