デスクワーカーの腰痛の「本当」の原因とは?
デスクワーカーの腰痛の原因を作業姿勢から考えていきましょう。
座って作業する姿勢も、例えば前屈みになったり、背もたれによりかかったりなど、姿勢にもさまざまなバリエーションがあります。
実は「座って作業している」だけで腰には負担をかけてしまっていることはご存知でしょうか?
つまり、「良い姿勢で作業していれば大丈夫」ではなく、座って作業すること自体が腰痛を引き起こす原因になってしまうことがあるのです。
特に長時間同じ姿勢で作業することは、腰痛のことを考えると非常に危険であると言えます。
「座る」ことによる影響は様々ありますが、今回は大きく2つに分けて解説します。
1つ目の影響が「背骨の動き」に関する内容です。
私たちは基本的に座ると、特殊な椅子ではない限り、脚の付け根の股関節が屈曲した状態になり、お尻に体重がかかるようになります。
私たちの身体の関節は、それぞれが連動して動くようになっており、1つの関節の影響は他の関節の動きやすさに影響を与えています。
特に股関節・骨盤・腰はまとめて「骨盤帯」と呼ばれており、他の関節と比べてもより連動して動きやすい場所になります。
座っている姿勢により股関節は曲がった状態になっておいて、立っているときと比べて股関節の動きが少なくなります。
股関節の動きが少なくなることによって、連動して動くはずの骨盤や腰の動きも結果として少なくなります。
私たちの関節は、主に筋肉が伸びたり縮んだりして動いています。
つまり、座ることで股関節が動かしにくくなると、連動して腰の動きも制限され、結果として腰の周りの筋肉も伸び縮みができなくなり、腰の周りの循環が阻害され、痛みを感じやすい状態になってしまいます。
肉体労働の方は、主に腰をよく動かしてしまうことによる筋肉の疲労で痛みが出やすいということに対して、デスクワーカーは腰を極端に動かさないことによる筋肉や腰周囲の循環不良から痛みが出やすいと言う点では、同じ腰痛でも原因が正反対になっています。
2つ目の影響は少々難しい言葉を使いますが、「椎間板内圧の変化」が関係しています。
椎間板とは、背骨を1つずつ見ていくと、1つの背骨とその上下の背骨の間にクッションのようなものが挟まっていることがわかります。
これが椎間板と呼ばれるもので、主に背骨にかかる衝撃を吸収する見た目通りクッションの役割をはたしています。
余談になりますがこのクッションに強い負担が長期間かかることによって、クッションがはみ出し、神経を圧迫してしまう状態が、いわゆる椎間板ヘルニアと呼ばれるものになります。
ここで質問ですが、この椎間板にかかる負担は立っているときと、座っているときどちらが強いと思いますか?
実は座っている方が、立っているよりも椎間板にかかる負荷は強いのです。
座っている方が椎間板に負荷がかかっているからといって、「デスクワーカーは全員ヘルニアになる」わけでは決してありません。
ここでお伝えしたいのは、椎間板に負荷がかかっていると言うことは、背骨にかかる負荷が強いと言うことです。
つまり背骨の周り、今回で言えば腰の筋肉などにも負担をかけている可能性があります。
座っている姿勢は、休んでいる姿勢にも見えますが、実は腰にとっては辛い姿勢かもしれないと言うことを知っていいただきたいと思います。
ではデスクワーカーは腰痛を解消するために何をすれば良いのでしょうか?
1つの答えとして、「運動すること」が挙げられます。
ですが、腰痛を抱えている人は「腰痛には運動が効果的なことは知っている。その運動ができない、続かないから困っているんだ!」と思っている方も多いと思います。
私も学生自体は腰痛に悩まされた過去があります。
確かに腰が痛むときに、なかなか運動は始めにくいもので、いざ始めても続かず諦めてしまうことも多いと思います。
実際腰痛を始めとした体の不調は、日々の習慣とも関係していることが多く、少しの運動では容易に改善しないこともあります。
ではどうすれば良いのか。
ここでは1つ、環境を変えることを紹介したいと思います。
続く