デスクワークによる頭痛の原因を作業姿勢から考えてみよう
デスクワークを代表するような作業のことをVDT作業(Visual Display Terminals作業)と呼びます。
主にはパソコン作業を代表とした名称ですが現在ではスマホ作業もVDT作業に含まれています。
そのため、パソコン作業はあまりしないという方にとっても、当てはまる内容もあると思います。
VDT作業において、最も特徴的な不良姿勢は、「頭部前方偏位」の姿勢です。
これは要するに「顎が前に突き出て、頭が肩よりも前に出ている状態」のことを指します。
パソコン作業のように、1つの画面を常時見ながら作業する場合、多くの人はパソコ画面の高さが、低くなりがちです。
さらに座って作業することにより、背中が丸くなりやすい状態になっています。
これらの条件が重なることで、頭が前に出やすい状態になってしまいます。
頭が前に出ると、それだけ首にかかるストレスが増加します。一般的に言われているのは、約2cm前に出るだけで、区部にかかる重量は約2倍に跳ね上がると言われています。
もちろん首にかかるストレスが増えることでも頭痛を引き起こす可能性がありますが、今回はまた別の角度から解説していきます。
頭が前に出ることによって、首の前にある筋肉が過剰に使用されることになります。
この首の前にある筋肉を「胸鎖乳突筋」と呼びます。
胸鎖乳突筋は左右に1ずつあり、主に首頭を前に出したり、片方ずつ働くことによって、首を捻る動きを起こしたりします。
この胸鎖乳突筋は耳の下にある骨(乳様突起)についている関係で、この筋肉が過剰に使用され筋肉が固まると、周辺の循環が阻害され顔の横側に痛みなどを引き起こすことがあります。
その他の症状としては、胸鎖乳突筋が硬くなることによって、目の周りにも痛みを引き起こすことがあります。
目の周りの症状は、パソコン作業であれば「画面を見過ぎている」ことが原因と考える人がいますが、もし画面を見ないように休憩をしても解消されないような目やこめかみ周囲の痛みやだるさなどは胸鎖乳突筋が硬くなっているからかもしれません。
この胸鎖乳突筋は他の筋肉と比べてもわかりやすく、触りやすい筋肉のため、セルフケアも簡単にできます。
ですが、いくらセルフケアしても作業環境が変わらなければ、いずれまた硬くなってしまうことが考えられます。
そのためにもセルフケアと作業環境の見直しはセットで行うことが望ましいと言えます。
最後にそんなセルフケアと作業環境の見直しについて解説します。